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ヘイケボタルをシンボル種としたビオトープの課題

 「開発」の残したもの  
 1970年代後半にニュータウン開発という大事業で、人間の生産活動の場であった里山が動物園と公園・緑地に変わった。この沢筋全体が幸運にも残り、その残された環境の中でヘイケボタルが生き延びてきている。上流の動物園内は沢が切土、盛土で動物園管理施設が作られ、沢はその下を暗渠となって公園に流下している。公園内は谷津田が埋め立てられ、芝生と移植された木々によってきれいな姿で開園したが、外から持ち込んだ土などで環境撹乱があり外来種の草本が増えた。薪炭林だったコナラやクヌギは「緑地」として放置状態にあり、成長の早い樹種のため緑過剰で湿地や沢筋の林間では光が届かない状態になってしまっている。新住民として住み始めた当初は溢れんばかりのホタルの光を見ることができたが、今や鬱蒼とした林の中に埋もれ、忘れ去られてきた。生息しているかも関心がいかない程激減してきてしまっていた。

 

 「緑地」から「里山」環境へ  
 この会が目指すものは住人との共存を図りながら持続可能な里山環境を再構築しホタルが昔の様に飛翔する姿です。数年、十年単位のスパンになるやもしれない目標ですが、現世代がやってしまった「開発」の後始末です。その良いサイクルが肩肘張った努力ではなく自然に継続出来るシステムで運用されて行くことです。それで安心して次世代に引継いで行ける環境活動になるのではと考えています。